【短編】大空に舞う一輪の花のように


――――また、バスケットが出来るって言ったらどうする…?」





「…………ぇ……?」



唐突な松田先生の言葉に、俺はうまく反応することが出来なかった。





「…それって…どういう意味ですか…?」




何とか思考を回らそうとするけど、なかなかに混乱している。





だって、俺はもう足が動かなくて……。

バスケなんて出来るわけもなくて…。





「そのままの意味だよ…」



また松田先生は口を開いた。



「だから!――



「寛太くん…。車椅子バスケットって知ってるかい?」






俺の口を止めた松田先生の言葉に、何か聞き慣れない単語が入っていた。




でもそれは、何故か愛おしい響きで、




俺を安心させる言葉で……――――










『車椅子バスケットって知ってるかい?』










――――
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