【短編】大空に舞う一輪の花のように
やがて、その日の練習は終わった。
高校になっても、練習は中学の時とたいして変わらないと思っていたし、
中学の練習でも、高校生程度の事をしていた自信はあった。
でも、実際に高校の練習に参加してみると…、
「きっつい!」
俺は思わず声を上げた。
ロッカーの前で横たわっている俺を見て、ケンは声を出して笑っていた。
「ブワハハハ!そんなんじゃ全国制覇は無理だな」
『うるせー、何でお前は平気なんだよ』
その言葉が喉元まで上がってきたが、荒い息づかいのせいで、
結局声にはならなかった。
ホントに疲れた。
もう声も出したくない程に。
でも、こういった感覚が俺を奮い立たせる。
昨日よりもさらに上手くなれた気がする。
全国が、徐々に近づいてくるように見える…。
だから、明日も頑張ろうって思えるんだ。