【短編】大空に舞う一輪の花のように
scene2-儚く流れる雲の様に、
朝比奈さんが入部してきてから、俺のバスケに対する情熱はさらに増していった。
彼女に俺の頑張っている姿を見てほしいから、彼女に全国制覇の夢を見てほしいから、
人一倍練習できた。
部活をしている時が、一番楽しく思えた。
そんなある日、部活が終わって俺が帰り支度をしていると、
監督がいきなり俺に話しかけてきた。
「寺原…、バスケは好きか?」
「はい?何スかいかなり?」
俺が拍子の抜けた声で答える。
「いや、ただ何か最近のお前活き活きしてるからな…。ちょっと思っただけだ」
あぁ、
そう言う意味ね。
そんなの聞かなくたって分かるでしょ?
だって、今なら胸を張って言える気がするから。
俺は今、
バスケットが…
「めちゃめちゃ好きです!」