恋人がいっぱい【BL】
「……ひっ、ちょっとおい、聞けよっ?」
何やら俺の知らぬ所で話し合いも行われているらしい。
前戯はまあこの辺で勘弁してやるかと思ったのかは知らないが、
急に動きを性急にさせてきたりして、
ぐちゅぐちゅいう音が聞こえてきたりして、
俺を見てる視線の数が多すぎるし、
なんていうか本当、勘弁してほしい。
色々と。
………………。
「ってかさ、死ぬ、死ぬからっ!」
「大丈夫、大丈夫」
後ろのAも、他の英志も、
宥めるようにキスしてきたりするけど、
彼らの提案する事は逆にきつ過ぎて無理。
っていうか今、何人目だろうか。
勝手に目から水分流出するし、
きっと顔はぐちゃぐちゃだろう。
「も、無理っ、たすけて」
こういう時に助けを求めるのは一体何なんだろう。
自分でもよく解らないけど、
とにかく縋ってみたり、許しを請う。
「しょうがないなあ。
じゃあちょっと休憩しようか」
すると言葉と一緒にいつも通りの、
優しい唇が目じりに降ってくる。
……今日は両サイドから。
ついでにデコちゅーも。