小野さんとさくらちゃん
カゴの中をごそごそ整理する私に小野さんは真剣な表情で聞いてきた。
「誰に?」
え?誰って何でそんなことを…
「母にですよ、誕生日だから。そんな、人にプレゼントできるほど上手くないです。」
そっか、というような顔で小野さんはにこにこしている。
ほんと、可愛い人だなぁ。
「じゃ、上手く作れるようになったら俺に配達してくれよな。」
「えー…」
「何だよ、俺にはくれねーのかよ。」
あげますよ、あげます、じゃあ、と言って手をひらひらさせながらその場を去った。
冗談じゃない、好きな人に手作りのお菓子なんて私のレベルで有り得ない。
せいぜい"粉臭いケーキを焼く女"だと認定されるだけだ。
もっと上手くならなきゃ。
「誰に?」
え?誰って何でそんなことを…
「母にですよ、誕生日だから。そんな、人にプレゼントできるほど上手くないです。」
そっか、というような顔で小野さんはにこにこしている。
ほんと、可愛い人だなぁ。
「じゃ、上手く作れるようになったら俺に配達してくれよな。」
「えー…」
「何だよ、俺にはくれねーのかよ。」
あげますよ、あげます、じゃあ、と言って手をひらひらさせながらその場を去った。
冗談じゃない、好きな人に手作りのお菓子なんて私のレベルで有り得ない。
せいぜい"粉臭いケーキを焼く女"だと認定されるだけだ。
もっと上手くならなきゃ。