勇生
地獄の始まり。
「行ってきます…。」



「行ってらっしゃい!!楽しんでおいでね♪」



「うん…。」



私は、親に見送って貰いつつ、学校へと向かった。



私の名前は、「赤石 勇生」
小学校5年生。
よく、周りから「明るい」と言われる普通の女の子。



今日は、修学旅行の日。



みんなは、「楽しみ♪」「何買おうかな?」とワクワクしていたが、私は違った。



「嫌だなぁ…。」という気持ちで、いっぱいだった。



西本友利…あんたのせいで…。



あれは、修学旅行当日の数日前の出来事。



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「今から、修学旅行で行われるクラスマッチの練習をします!!」と、担任の先生が声を大にして、みんなに聞こえるように言った。



クラスマッチは全部で3種目。



リレー、フラッグキャッチ、5人6脚…。



その日は5人6脚の練習。



みんなで足に手ぬぐいを縛り付け、やる気満々だった。



私もその一人。



負けるのが大嫌いな根っからの負けず嫌いな私は、周りに居た女の子達よりもダントツ、やる気満々だった。



だからこそ、練習はきちんと真面目に取り組んでいた…ハズなのに。
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