かけうどん

次の日


りょう「工場長、ちょっと時間いいですか？」

工場長「なんや？かしこまって？」

りょう「ちょっと話が。」

工場長「おう、まあ座れや。」


りょう「あの、単刀直入に言います。僕、会社、辞めます。」

工場長「はっはっはっはっ(笑)」

りょう「いや、笑い事じゃなくて、本気で言ってるんです！」


工場長「いやいや、俺が笑ってんのはな、やっと言いに来よったかと思ってな(笑)」


りょう「え？？？」


工場長「俺もな、この会社で面接、何百回として、入ってくる奴、出ていく奴、いろんな奴見てきた。顔見たらわかるんや。」


りょう「顔。」

工場長「そうや。おまえは、こんなとこに居るべき人間やない。やり残した事あるんやろ？それで辞めるて言いに来たんやろ？」


りょう「そう…です…」

工場長「はっきり言わんか！何がしたいねん！」

りょう「俺！歌いたいっす！ギター弾きたいっす！音楽したいっす！」


工場長「答えが出たようやな。俺が認める！今すぐ作業服脱いでこい！もうおまえは、このプレスの機械に二度と触るな。この意味わかるな？」


りょう「はいっ！」

工場長「いけっ！」


りょう「ありがとうございますっ！」