天使の強がり【短編】
そんなこんなでもう1ヶ月が経ってしまった。



うぅ…


あぁ…こんなことになるなら素直に律様に教えていただいていたらよかった。


この1ヶ月のうちに、模試もいくつかあった。


返ってきた模試の点数を見てひどく落ち込む私。


英語と国語は点数が上がってきたものの、数学が伸びていなかった。


出来なかった問題は、まさに喧嘩したときに“基本だろっ”と言われていたところだったのだ。



はぁ。なんでこう私は素直になれないんだろう。


思い返せば、律に沢山教えてもらってきたのに、
「ありがとう」って言葉にして伝えてさえいない。


英語も古典の文法も、大事なところは律に教わって、それで点が取れたところがいっぱいあった。


なんだか自分がひどく醜く覚えてきた。


私の方が1個上なのに。


全然お姉さんらしくもない。強がってしまう。


意地汚い私。


あぁ、こんなことじゃいつ振られてもおかしくない。


もしかすると、もしかしなくても律もこんな受験生に付き合って勉強するより同い年の女の子と遊んでいた方が楽しいはず。


あぁ、嫌だ。


考え始めるとキリがないんだ。
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