天使の強がり【短編】
しばらく突っ立っていると、律が口を開いた。


なんか、この口調からしてどう考えても律の方が年上みたいな気がしてしまう。


「…あはは、数Ⅱが38点。」


なんだかシリアスな雰囲気が嫌で、苦笑いしながら答えてしまった。


「…そう」


ため息ともとれる返事が返ってきた。


あぁー、絶対呆れさせてしまった。


っていうか、あぁ、なんか点数言ったら涙出てきちゃったんですが。


「…ウッ…」


ヤバイ、止まれ、止まれ。泣くな、私。


律の前で泣くなんて、構ってほしいだけじゃないか。


所詮気にかけてほしいだけじゃないかっ


あんなに「律のお世話にはならない!」とか抜かしてたのに。


でも自分が流す涙のくせに、涙はなかなか止まろうとしない。


必死で目をこすって止めようとするのに、涙はそれどころかどんどん溢れて出てくるばかり。




“うん。じゃあいいよー。構わないから。泣きついてすがってきても知らないからね”




あの時言われた言葉が、脳裏をかすめる。


律を呆れさせるっ
< 8 / 14 >

この作品をシェア

pagetop