年をとらない少女の物語。
私が小5のとき、お母さんとお父さんが離婚した。私はお父さん側に引き取られたの。
やっぱり、私が1人娘っていうのもあったと思うけど、やっぱり生まれたときの高い保険金の為だったんだって、後でわかった。
お父さんは、すぐ再婚した。相手は26歳の若い女性だった。
もう、お母さんのことは忘れたかったからその人を好きになろうと必死だった。
新しいお母さんも、仲良くしてくれた。一緒に料理つくったり、勉強したり、洋服買いにいったり・・・。充実してた。
だけど、その優しさは次第に暴力に変わっていった。
無言の暴力。こういうのって、虐待っていうんだよね。
「オマエなんかいなければ、人生あの人とやりなおせたのに。」
ある日、虐待をうけてるとき、聞こえたの。
びっくりして上を見上げるけど、喋った形跡がない。
「あーあ・・・、あんなゲスジジィ。財産だけ目当てなのに・・・。こんなクソガキおしつけやがって。」
・・・そうだ。やっぱり、これは、心の中の声だ。
私は、ずっと虐待うけている間、心の中の声を聞いていた。
それは、その人だけじゃなかった。友達のだって、聞こえた。
だから私は、今まであまり人と関わってこないようにした。

ある日、私は虐待に耐えられなくなって、父親に相談した。
本当の血のつながっているお父さんなら、絶対に解決してくれる。
そう、信じてたのに。「あーあ・・・ついに来たか。まぁ、いいや。どうせ、あと少しで逃げるし。こいつに借金おしつけるか。」

え・・・?

今、なんて?

「こんなクソガキ、最初から産むきなかったつーの。」
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