年をとらない少女の物語。
「・・・そう、なんだ・・・。」
「今はあんな家出て、施設入りだけどね。だけど、それももうすぐ終わり・・・。期限は1年なの。それを過ぎるといやでも追い出されちゃうんだ。」
「え、じゃあ、これからどうするの?」
あ、ヤバイこと聞いたかな?
「殺される覚悟で、家に戻る。」
綾部真紀は、迷うまもなく即答した。冷たい、声で。
「ちょ、え!?」
「・・・だって、帰るところないんだもん。」
「いや、それは、そうだけど、え・・・。ええ!?」
「・・・何もできない12歳の女子なんて、体売り以外なんもないし。」
綾部真紀は、後ろに倒れて、フゥッとためいきをついた。
「・・・・・・・・・うち、来る?」
綾部真紀は、おどろ表情で起き上がった。
「・・・いや、でも、うちの人に迷惑」
「うち、ひとりだから。むしろ、来てくれるの、大歓迎。」
「・・・!」
「え、あ、いや、べつ、べつにっ、そ、その、か、歓迎っていうか、その、仕方、ないし。」
「・・・ありがとう。」
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