年をとらない少女の物語。
どんなに、どんなに泣いても、あの王女の暴政は止められない。



いっそ、革命でも起こしてしまおうか。
そう、思ったことがある。
でも、わたしにはできない。
王女に逆らうなど、人をころすなど。
勇気がない、人間なのだ。


「・・・ベニカ・・・・・・今度の戦争の相手は、隣国と連携して、ナイリス国を倒すという作戦らしい。」
「・・・ナ、ナイリス!?だ、駄目よ!あそこは神殿がたくさんある国でしょ!?神に逆らうのと同じよ!駄目よ!神だけは逆らっちゃ駄目!!」
「そんなことわかっている!」
バンッ!!!
カイルがテーブルに手を叩いた。
「・・・王女の命令は絶対だ・・・。それに逆らうなど、もはや命がなくなるのと同じだ。」
「・・・・・・もう、あの平和な毎日はこないのね・・・。私達が、子供だった頃の。」
「・・・俺は、幸せだぞ?この24年間。ずっと幼馴染としてオマエの近くに居られて・・・。どんなに辛くとも、オマエといると、そんなことわすれてしまう。」
「・・・そんな・・・こと・・・。」
「俺は、絶対に帰ってくる。大丈夫だ、オマエをひとりにすることなんて、ない。俺が居ない間、アイリスと居てくれ。アイリスの旦那も、行くはずだ。ひとりには、なるなよ。」
「・・・うん。」




このとき、なんで止めなかったんだろう。


今になって、ひどく後悔している。
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