年をとらない少女の物語。
こんな気持ちになったのは、‘あれ’以来はじめてかもしれない。
誰かに会いたい・・・、話を聞いてもらいたい・・・。なんていうのは。
「・・・ったく。」
私は携帯を開いた。


【別に、メアド知っててもいいけどさ。
 学校、行く気ないから。
 ほっといてくれない?】


送信ボタンをゆっくりと押した。
早朝だ。忙しいか、まだ寝てるか・・・。見ないかもしれない。
けど、わずかな希望を託して。


ピリリ・・・。

来た。

携帯を開き、受信ボックスを開く。


【そっかぁ・・・
 いいよわかった
 来る気になったら、
 メールしてね】


・・・なんで。

何で。

細工されてるの?

もしかして、吉沢たちになんか言われたの?

そう、疑いたくなるようなメール。

私は・・・。





・・・違う。

そう容易く、人に騙されるものか。

あの憎しみは忘れない。

人は、誰だって裏表を持っている。

そう・・・誰だって・・・。



一気に身体が重くなった。
今日はもう寝よう・・・。
といっても、まだ午前8時だが・・・。



私は死んだように眠りに堕ちて行った。
< 5 / 22 >

この作品をシェア

pagetop