年をとらない少女の物語。
変わり始めた
ここは、どこだろう。
野原だろうか。草花が地面に広がっている。
そこに立っている、ひとりの少女。
その少女と向かい合っている一人の青年。
「・・・必ず、帰ってきてね。」
「ああ。必ず、帰ってくるよ。」
少女は涙を流していた。
青年は涙を拭っていた。
「・・・じゃぁ、行って来ます。」
青年は、少女に背を向け、野原の奥に歩いていった。
少女は、そのまま、ただじっとそこにいて、
歩いていく青年を見てるだけだった。



「!」
・・・夢・・・か・・・?
「・・・・・・何・・・今の・・・!」
汗がびっしょりだ。
身体も熱い。
「・・・もしかして・・・。」
今のは、誰?

『私に背を向け、君は還ってこなかった。』

「!」
どこからか、女性の声が聞こえる。
得たいの知れない、声。
その声は、か弱く、透き通っていた。



駄目だ。

嫌だ。

もうやめて。


『こうなったのは、誰のせい・・・?・・・そうだ。あの忌まわしき、あいつのせいだ。』


「・・・やめて。」


『・・・復讐してやる・・・!!カイルが還ってこなかったのは、あいつのせいだ!』







“カイル”



・・・その名前に、ピンときた。
・・・カイルというのは・・・あの、青年?
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