君がいた町
それから私達はいつも4人で行動してた。
帰るのも、遊びにいくのもいつも一緒。
学校にいる間は、お母さん達のことも忘れられた。
「しかし、桜散ってきたなー」
帰り道の桜並木、凌くんが桜を見上げて言った。
「確かにな~」
「うん」
レイの散歩で行く公園も、通学路の途中にある。
「桜、かぁ…」
去年は家族でお花見に行った。
お母さんがお弁当を作ってくれて、私も手伝って…
思い出すと、涙が出てきた。
やっぱり、この町は嫌いだ。
…前の家に帰りたいよ…