君がいた町



「砂月ー大丈夫だった?」


集合場所に行くともうみんな揃ってて、昨日泣いたまま帰ってしまった私を心配してくれた。


「うん、大丈夫だよ。ありがとう」


みんなの優しさが素直に嬉しくて、自然と笑顔になる。


「なんかあったら何でも言いや?」


「うん…」


美夏の言葉に背中を押され、私はゆっくり話しはじめた。




私の誕生日に、家族みんなで遊園地に行った。

帰りの車で私は疲れ果てて眠ってた。


その間に、私達の車は居眠り運転していた大型トラックとぶつかって、お父さんもお母さんも妹も、みんな死んでしまった。


< 22 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop