君がいた町


「綺麗…」

私には、まだちょっと大人っぽい気もするその浴衣。


「これはな、おばちゃんのお姉ちゃん、砂月ちゃんのお母さんが着てたやつやで。」

おばさんが優しい笑顔で、懐かしそうに浴衣を撫でる。


「お母さんの…」


そー考えるだけで涙が出そうだった。


「もー着れるはずやから、着てみるか。」

「うん!」


そう言って、すぐにシャワーに入った。


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