君がいた町






「砂月、ちょっといい?」


「ん?」


私が美夏に相談を受けたのは、その日の昼休みだった。


「どーかした?」

中庭のベンチに腰掛けて、美夏を見た。


「…私、真也が好きやねん。」

美夏は少し間をあけてから、小さな声で、でもはっきりと言った。


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