君がいた町



…何か言わなきゃ―


分かっていても言葉が見つからなくて、声を出すと、涙が溢れそうで…



「ま、お前に言うても困らすだけやな。」

ごめん、と謝った彼の顔も少し困ってるようで…



「ううん、ありがとう」

やっと出た言葉ががこれだった。



「今は友達やからな!」

その言葉に胸が痛かったけど

「うん」

笑って答えた。


< 66 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop