君がいた町


―…

「砂月?」

「ん?あ、ごめん、ぼーっとしてた…」

お昼休み。

常に一緒に行動する4人の中で、この時間だけはカップルで過ごそうと美夏の提案で決まってた。


「なんか、最近ぼーっとしてること多くないか?」

「そんなことないよー」



と言いながら窓の外を見ると、渡り廊下に真也達の姿がある。


「…真也が、気になるんか?」

そう言った凌の声は、いつもより低い。


「え?なんで?」

窓から目を離して凌を見ると、真剣な表情。

そして、少し不安そうに下がった眉。



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