君がいた町


ふさふさした茶色の毛並みに抱きついて、寂しいときは涙を流すこともある。


ドッグセラピーなんて言葉があるけど、本当に私はレイに癒されてた。


「レイ~散歩行こうか!」

「わん!」

私の言葉が分かるように返事をする。

その顔は笑ってるように見えて、こっちまで笑顔になった。




レイの散歩は、レイが私になついてるのを知ったおばさんが私にくれた仕事だった。


最初は大きなレイにリードを引っ張られて大変だったけど、今ではそんなこともない。


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