世界は美しい…うん、きっと
「はい!とってもかわいいです!」

ふぅん…と言いつつ、頭で分析。
…手前のところで落とせば…

「かしてみろ」

「へ?」

「とってやるから」

「本当ですか!?」

俺は投入口に100円を入れた。

慎重に慎重に動かしていく。
静かな空気が漂った。


―ガタン―


「と…とれましたぁ!すごいです!」

きゃっきゃ騒いでいる尾田。

「ん」

そっとそのぬいぐるみを渡す。

「くれるんですか!?」

「…まぁ、そのためにとったんだが」

尾田はキラキラ目を輝かせ、大事そうにぬいぐるみを持っていた。

…まるで初めてクリスマスプレゼントをもらった子供のようだ。

このような事が無かったのか、少し気になった。

「なぁ…尾田、少し時間あるか?」

「ぁ…はぃ」

自転車で約10分。

とある公園へ着いた。

「ここは一番綺麗に景色が見える唯一の場所だ。…ょし」

近くに自転車を止めた。

「あの…」
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