女子校の悩み。
その通りだった。
考えないようにすればするほど、意識してしまって。
自分の気持ちを抑えつけることがこれほど苦痛だとは思ってなかった。
「だから、もう我慢しないで」
れいちゃんの一言が私の涙腺を緩めた。
中学生の時、桐生を好きという気持ちを消すことができたら、その気持ちはどこへ行くんだろうと思ったことがある。
私の体を抜け出して、ふわふわとあたりを漂っているのかな、とか。
それとも、完全に消えてなくなるのだろうか、とか。
でも実際は違った。
追い出そうとしてもなかなか出ていってくれないんだ、この気持ちは。
私の心に居座りついて、根を張っている。
それを無理やり追い出そうとするのは、辛くて、痛くて、悲しくて。
もう我慢しなくていいというれいちゃんの言葉が、あまりにも優しかった。