女子校の悩み。
「桐生をずっと好きでいたら、辛くて、泣くこともあるかもしれない。そんな時は、私たちを頼ってよ。泣きついていいから。『助けて』って叫んでいいから。だけど、簡単にあきらめようとしないで。・・・自分の心を、大事にしてあげて」
自分を大切にする・・・。
確かに私は、今まで自分を大事にしていなかったかもしれない。
桐生をあきらめるっていうのは勝手な自己満だったかもしれないけど、私は私をわかってなかったんだ。
・・・片想いの辛さに耐えられないほどやわじゃないよ。
自分を一番理解しているはずの私が、わかってなかった。
それを教えてくれた二人。
ほんとにありがと。
そう思ったら、また頬に何かがつたう感覚。
「ん」
れいちゃんが差し出してくれたハンカチは、ほんのり化粧品の匂いがした。