女子校の悩み。



しばらくひなたくんと話していた桐生が、私と玲奈をまじまじと見つめる。



「うわ、懐かしい顔ー。安住のことは智也からよく聞いてるけどさ」



うんうん、と言いたげにひなたくんが首を縦に振る。



・・・長峰、誰かれ構わずノロケ話してんのかよ。



「久しぶり、早瀬」



改めて言われた言葉にきゅんときた。



別に大した言葉じゃないし、ただのあいさつじゃん!って思うかもしれない。



でもね、私にとってはすごく大きなことで。



・・・好きな人からの言葉って、どんな簡単なことでも嬉しい。



「うん、おひさ!こうして集まるのいつぶりだろ?数か月?」



「たった数カ月のことなのに、もう何年も会えなかった人に会えたみたいだよね」



由理香の言葉に、たしかに、と頷く。

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