女子校の悩み。


「おい春樹、聞いてた?」



長峰が声をかけると、私たちの後ろのほうで男子とワイワイ騒いでいたらしい桐生がこっちに向かってきた。



「あ、悪い。聞いてなかった。なんだって?」



「あ、あの、明日の8時に由鶴駅の改札集合って」



「うん、わかった」



長峰が私と桐生が話せるように話を振ってくれたことに気がついた。



きっと玲奈から聞いたんだろうな。



オランウータン、ちょっと見直したかも。



「ま、そーいうわけで明日遅刻してきたやつはお茶代おごってねー」



「どーいうわけだよ」



教室に笑い声が響いた。
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