女子校の悩み。
「え、何?こいつ早瀬にしがみついたわけ?」
興味津々のご様子の皆さまに、ジェットコースターでの出来事を細かく説明してあげようと思ったその時、私の口は桐生の手にふさがれてしまった。
「はいはい、その話禁止!早くお化け屋敷入るぞー」
「ちぇー」
ぶつくさ言いながらもさっきのペアでお化け屋敷に入っていく4人。
いよいよだ。
緊張も高まってきたとき、力が入っていた肩に桐生の手がおかれた。
「大丈夫だから。俺が前歩くから」
なんか、桐生が頼もしく見える。
「・・・よろしく」
私は怖さを隠すためにいつもより無愛想で答えたのに、屈託のない桐生の笑顔にすべて見抜かれたことを知り、恥ずかしさで顔をそむけた。
「ま、行くか」
私は桐生の背中に安心して足を進めたのだった。