女子校の悩み。
「あ、動き出したみたい」
「あ、まじだ」
システムが復旧したのはいいことだし、不安になっていた乗っている人たちが早く戻れるのは良かったと思うけれど、なんだか残念な気持ちになってしまう。
今まで観覧車が止まっていた間、私たちの機体は一番上のところまで来ていた。
その上、綺麗なマジックアワーを見られた。
ロマンチックな雰囲気に浸っていられた、あの幸福な時間がもっと続いたらよかったのに。
「今日は、ありがとな」
突然の感謝の言葉。
は?
「なに?」
「ジェットコースターの時だよ。俺、手とか握っちゃってごめんな。けど、あのおかげで何とか最後まで乗ってられたし。サンキュ」