女子校の悩み。
私と由理香が拾っていると、桐生もそれに気がついたようで、加わってきた。
「いたっ!」
由理香の短い声。
画鋲を指に刺しちゃったみたい。
軽く先っちょがあたっただけみたいだから、そんなに痛くはないみたい。
さっきの声も、とっさに出てしまったものらしい。
まったく、由理香はぼーっとしてるんだから・・・。
「平気!?」
そう言って由理香の手をとったのは、桐生だった。
いやいや、そんな大げさなものじゃないでしょ。
「あ、ううん。びっくりして痛いって言っちゃっただけ。ほら、血も出てない」
由理香がひらひらと手を見せると、やっと桐生は納得したみたいだった。