女子校の悩み。



「そっか、気をつけろよ」



やけに優しい声。



うらやましい、かも。



そんなことをぼんやりと考えていた時。



コツコツコツコツ



「まずい!先生来たー!」



誰かの声によってみんなが一斉に動き出す。



衣装は各自のロッカーと掃除道具入れに隠して、プラネタリウム班と喫茶班も何とか間に合ったみたい。



ガラガラッ



「ん?先生、どうかしたんですか?」



開いたドアから覗きこむ先生に、私が声をかけた。



「ああ、いや、なんでもない」



そう言って、先生は他のクラスに向かったようだ。



< 68 / 220 >

この作品をシェア

pagetop