世界で1番君が好きッ
やっぱり、恋愛小説なんかただの妄想にすぎない。

むかつく。

私は苛立ちを抑え、子供部屋に向かう。

『聖君ガキだねー!』

妹の加奈美の声が廊下に響く。

『はぁ?意味わかんねー』

私は部屋に入るのをやめた。

うん、普通に気まずいし。

そう思い階段を下りようとすると

子供部屋の扉が開いた。

『あ、おじゃましてます。』

二重の大きな目をした男の子が私を見た。

『ご、ごゆっくり。』

男の子は一礼をして部屋の角を曲がった。

加奈美と同じ学年なら中3か…

小学生みたいだったな。

階段を下りようとすると足音が聞こえた。

『あの、トイレってどこにありますか?』

『その角曲がった突き当たりの右の扉だよ。』

『ありがとうございます!』

男の子はさっきと同じ角を曲がっていった。

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