プラスマイナス、
「おっ、やっと来たね。ほらほらみんな、斎木さんが来たよー」
僕と斎木さんの顔を見て、みなとさんは眠たそうな子ども達に声を掛けた。
「夜分遅くに呼び出して失礼しました。どうぞお入りください」
「とんでもない。お招きいただきありがとうございます」
みなとさんが一礼して、靴を脱ぎ玄関をあがった。
来客用のスリッパを人数分揃え、子ども達に中に入るよう指示をした。
斎木さんが僕の話に合わせてくれたことにも安心したが、普段では想像もつかないようなみなとさんの斎木さんに対する丁寧な対応に驚いた。
そういえばこの人も一応立派な大人だもんな…。
「まさくんは?一緒じゃないの?」
ふうちゃんが僕のズボンを引っ張って問いかけた。
確かに僕はどうすればいいのだろう。
みんながプラスィナーかどうかの診察(という表現が合ってるかはわからないけれど)が終わるまで待っているべきだろうか。
途方に暮れていると、斎木さんの声が飛んできた。
「君は帰りなさい、吉岡くん」