プラスマイナス、
「さぁさ、お待ちかねのマイナリーとご対面だぜ。惑星の誕生に立ち会えることを光栄に思うよ。」
「馬鹿言わないで。お互い好きでもないのに、惑星なんてできるわけがないでしょ。」
惑星をつくるには、究極のプラスィナーとマイナリー同士が結ばれる必要がある。
材料が揃っていたとしても、そこに愛がなければなにも産まれないはずだ。
「……フッ…ハハ、ハハハ」
彰は紘奈を見下したように笑い出した。
その顔や声は、もはや学校で見たものとはかけ離れている。
「まさか俺が知っててあんたが知らないことがあるなんてな。さっきからあんたが驚く顔するたびに気分がよくてたまんねぇや」
「なんなの…?!」
「教えてやるよ。
俺が見つけて育てたんだ、最強のマイナリーになるように。トシさんと同じ方法で、あんたと同じように。
あんたはあの映像すべてを、プラスの脳波で相殺した。けどマイナリーはあの映像をすべて取り込むんだ。だからあんたほど時間は掛かんなかったよ。
トシさんが育てたプラスィナーと、俺が育てたマイナリーで惑星をつくる。
言わば俺とトシさんは神、ってとこかな。」