プラスマイナス、
話が飛躍している。
他人事のように聞こえる。
マイナリー?力?そんなわけないだろう。
「君の力は紘奈に見合うほど強大。コントロールがまだきかないほど」
「ど、どこにそんな…証拠がない…!」
「言っただろう?まだコントロールがきいてないだけで、君は無意識に力を使っている。」
信じられなくて、自分の両手を見下ろした。
斎木さんと居る恐怖からか、手がわなわなと震えている。
左手の人差し指にはまったきらびやかなビーズの指輪を見て、雨の中散っていったビーズのブレスレットを思い出した。
紘奈の名を叫んだ途端、千切れたブレスレット。
あれは偶然?
「山瀬から、『紘奈の苗字が記憶と違っただけでひどく動揺していた』とも聞いている。さしずめ恐ろしい想像に襲われたんだろう。マイナリーとしても不思議じゃない」
「あ……」