プラスマイナス、
想いを、殺す。
殺さなければならない。
僕と紘奈は、一生結ばれない。
「………それが」
斎木さんは勝ち誇ったような笑みを浮かべている。
「なんだっ!!」
叫んだ途端、強い風が吹いて斎木さんの体が少し飛ばされた。
普通のものではない。
これも僕のマイナリーの力?
そんなことはどうでもよかった。
「“好き”とか“嫌い”なんて単純な気持ちで、紘奈を救いたいわけじゃない。」
結ばれなくたって構わない。
ただの自己満足でいい。
紘奈に笑っていてほしいだけなんだ。