プラスマイナス、
紘奈が駆け寄ってきて、透けてしまっている僕の手をぎゅっと握った。
「紘奈…。ごめん、僕、こんなことしかできなくて。紘奈を、独りぼっちにさせちゃって…」
「あたしはひとりでも平気だよ…でも、まさくんが…」
みるみるうちに紘奈の目に涙が溜まる。
紘奈の目に映る僕が、徐々に透けていた。
「あたし、まさくんの星にプラスの力を送るよ。」
「うん」
「いつか、何百年何千年掛かってもいいから、まさくんの星に行って、あなたに会いに行くから。」
「うん、待ってる」
「それまであなたの星が滅びないように、ずっとずっとプラスを送るね」
「うん、ありがとう」
「好きだよ、まさくん。」
「僕も、紘奈が好き。昔からずっと、これからも。」