プラスマイナス、
―――さい き、ひ ろな
聞き覚えのない名前。
知らない人の名前。
「だれ…?」
「まさく…」
「どした?誠斗」
変わってしまった日常が、また形を変えて化けてきた、みたいな
「ごめ、僕、ちょっと…」
「あっ、おい誠斗!」
一気に気分が悪くなって、その場から1秒でも早く離れたくて、通学路を逆走した。
昨日からやたらと引っ付いてくるこいつは、誰だ
幼なじみ面して、僕を苦しめることばかりするこいつは。
知らない女を部屋にいれてたり、手を握られたりしたんだと考えると、寒気がした。