プラスマイナス、

「単なる幼なじみなんだろ？そんな固執する必要ないんじゃねーの。第一、あいつといて楽しいか？勉強しか取り柄がないような面白さのない地味な奴じゃん。」



自分で聞き耳立てといてなんだが、定岡の奴め、ぼろくそ言ってくれるなぁ


だけど、決して間違ったことは言っていない。


その事が僕の心を締め付けて、少し痛んだ。



物心ついたころから人と関わらないようにしていたんだ、当然だ。



面白い話題もないし、特別趣味もなければ他人を盛り上げる術なんか持ってるはずがない。




いいんだ、そうやって空気のように生きていきたい。



僕がそう望んだんだ。



傷つかないように、転んでしまわないように、







「じゃあ、定岡くんは勉強ができるかな」






え？


「は？」


「勉強なんて誰でもできるけど、それにしっかり向き合った結果、勉強が取り柄になってるまさくんはとってもすごいと思うな。」




なに言ってるんだ、こいつ。


なんでそんな、僕を庇うようなことを