プラスマイナス、
「…紘奈サンさぁ、あいつのこと好きなの?」
くると思った…
定岡、実は僕が隠れてることに気付いてるんじゃないか?
つい昨日再会を果たしたばっかなのに、いきなり好きとかそんなわけないだろ…定岡じゃあるまいし。
仮に、紘奈にとっても僕が初恋だったとしても、10年間の時を経てこんな情けない僕をまた好きになるわけがない。
まぁこんなに情けなくなったのは半分以上は紘奈のせいだとは思うけど。
だけど紘奈の返答に少しドキドキしている自分がいた。
紘奈、もしくは幼なじみ面するあの女は
何を目的に僕に近付いているのか
「大事な人なの。」
大事 な 人 。
なんだ、この曖昧な回答…
そもそも大事ってなんだよ。あいつが仮に僕の知る紘奈だとしたら、紘奈は大事な人になにも告げずにどっか行くのかよ。
そんなの、あんまりだ。
「大事って、どういう意味で?」
定岡はプライドを傷つけられたせいでなかなか引き下がらない。
「あたしとまさくんはただの幼なじみだよ。」
やめて、もうやめて。
「でも、」
もうこれ以上聞いたら、また泣き出してしまいそうになるのに