プラスマイナス、
「ていうかあたしは、苗字が違うだけで逃げ出すほど怯えるまさくんにびっくりだよー」
言われてみればそれもそうだ。
下の名前は同じなのに、たかだか苗字で焦ってしまった。
よく考えれば離婚とかいくらでも想像はつくのに。
なんでだろう…?
「じゃあ、ここからが本題ね。」
え、本題?
今、十分重要な話を聞いたと思うんだけど…
「ちょっと大きな話になっちゃうから、長くなると思うけどちゃんと聞いてね」
「大きいって…?」
「世界…いや、宇宙規模の話かな」
「え…なに、ガンダム?」
「現実の話ですーっ」
現実の話で宇宙規模…
紘奈のキャラがいまいち掴めなくなってきた…。紘奈ってもしかして中二病?
すると紘奈は足元に落ちていた細めの木の枝を手に取り、土の地面にナニかを書き始めた。
「なに…これ」
「単純化した世界の姿だよ」
紘奈はそれを“姿”と言ったけれど、それは決してイラストなどではなかった。