プラスマイナス、




それからなにも言わずに2人で歩いた。

紘奈がどこに向かってるかもわからないけれど、ひたすら紘奈についていった。





やがて景色は僕の知らないものになっていく。

まさかこいつ、ただ闇雲に歩いているだけなんじゃ…



そう思って意を決して声をかけようとしたとき、小さな建物が見えた。


高さよりも横の長さで場所をとっており、建物には動物などの可愛いイラストが施されている。

表札には「高科孤児院」と書かれていた。




「ここが今の、あたしのおうち。」




紘奈が僕の方を振り返って言った。



「もう落ち着いて話せる場所って言ったらここぐらいしか思い出せなくて」


だからってまだ昼も回ってないのに帰宅って…




「あれぇ?!紘奈、学校は?」

「あ、みなとさん!ただいまー」



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