プラスマイナス、
「ふふ、まさくん顔真っ赤」
紘奈の一言で、自分の顔が熱くなってることに気が付いた。
そして胸の奥にもどこか温かみを感じた。
「これが、血よりも強い絆。」
紘奈も制服のポケットからビーズの指輪を取り出した。
僕のものとはもちろん色も形も違うけれど、どちらも気持ちのこもった指輪だと思った。
「あの子も捨て子なんだ。ふーちゃんはね、昔お母さんとよくこんな感じのビーズアクセサリーを作ってたんだって。だからふーちゃんにとってはビーズアクセサリーが家族の証なの。」
あんな小さな子も居場所を失って、同士の集うこの孤児院で、必死で繋がりを探しているんだと思うと、胸が締め付けられた。
手のひらに乗ったままのビーズの指輪に視線を落とした。
「……じゃあ、僕も家族?」
「うん。あたしたち、家族」
紘奈は当然と言わんばかりに笑って言った。