プラスマイナス、
その後、みなとさんを含めた孤児院のみんなと交流をした。
十数名ほどの子ども達が、みんな過酷の中で生きていた過去を持ってることが信じられないほど、笑顔でいた。
そしてそれは、やはり紘奈の天真爛漫さと前向きな姿勢が影響してるのではないか、となんとなく思った。
日が暮れ、家に帰った。
「ちょ、あんたなにそれ」
母は一番に僕の中指に付いているビーズの指輪に目がいった。
「ずいぶん可愛いものつけてんじゃない。誠斗そういう趣味だったの?まぁ母さん、誠斗がどんな趣味を持ってようと責めたりはしないけど…」
無視して部屋に向かった。
ベッドに飛び込み、指輪がはまっている右手を伸ばしてみた。
なんだか落ち着かなくて、わくわくする気持ちだ。
あぁ、絆ってすごいなぁ。
ひとりでニヤニヤしていたのも束の間、彰から朝、いきなり逃げ出したことの心配の電話と、「美少女転入生と噂の冴えない男子が揃って欠席」ということで噂が拡大しているという報告を受けて落胆したのは、言うまでもない。