プラスマイナス、
教室の前に辿り着き、突然汗が吹き出た。
これからどんな目に遭わされるんだろう。クラスのみんなに目の敵にされて、机の上に菊の花とか飾ってたらどうすればいいんだ。そもそも僕の席自体ちゃんと配置されてるだろうか。
色んな考えと、それに対する対処法と心の準備をしている真っ最中に、紘奈は勢い良く教室の引き戸を引いた。
「あっ、ちょ、」
もうだめだ、おしまいだ。
どうせ騒いでたクラスが一気に静まり返って、クラスメイトは一斉に僕を見てはひそひそ話したりするんだ。
とどめに定岡から悪態を吐かれるんだ、そうに決まってる。
そんな光景を見たくなくて、僕はとっさにギュッと目を瞑った。
「………………あれ」
「なにしてるの、まさくん?」