プラスマイナス、
「先ほどの数式は、プラスィナーとマイナリー、そして世界の力関係を表すものなんだ」
“->0>+>-”
マイナスはプラスより大きくて
プラスよりゼロの世界が大きくて、
ゼロより、マイナスが大きい。
「数式にすると複雑に見えるが、簡単に言えばじゃんけんみたいなものだ。」
じゃんけんか、なるほど。
最強のいない、まさに“ゼロ”を表現するような数式。
「チョキは決してグーには勝てないように、プラスィナーの力も世界には勝てない。俺はそれを覆そうとしているが……実はまったく別の考えもある」
斎木さんは口元を歪ませた。
どことなく気味悪いその姿は、さながらべたなマッドサイエンティストのようだった。
「プラスィナーとマイナリーが結ばれた時、宇宙に惑星が生まれる」
「わっ…惑星…!?」