プラスマイナス、
「俺が世界を変えられるなら、それ以上の喜びはないさ。たださっきも行った通り、俺はプラスィナーでもマイナリーでもない、普通の人間なんでね」
斎木さんは日が暮れてオレンジに染まった空を仰いだ。
「惑星の話は、マイナリーがいない限り紘奈が消えることはないから安心しろ。詳しいことが聞きたかったらそこに来い。」
斎木さんはそのまま去っていった。
頭がぼーっとする。
状況が理解できない。
情報が整理できない。
「なんなんだよ…意味わかんね…」
世界とか紘奈とかプラスとかマイナスとか、
僕には無関係なほど大々的な話なのに、内容はあまりにも身近すぎて
簡単に受け止めれる内容ではない。
何気なしに置かれた紙を拾い上げ、数式を見直した。
“->0>+>-”
やっぱり意味がわからない。
そこで紙の裏に、なにか書かれているのに気が付いた。
裏には、「世界改革団体ハート」と、その団体の住所が書かれていた。