プラスマイナス、
500倍
足りない分を紘奈が協力するだけで事足りるその事実が恐ろしかった。
「それはそうとお前、惑星のつくりかたは聞いてるか?」
嫌な感じがよぎった。
紘奈と誰かが結ばれる話だ。
「…最強のプラスィナーと最強の…マイナリー?が、結ばれたら出来るんだっけ?」
「そーそー。お前的にこの話、どう思う?」
「どうって…非現実的だなぁって」
「まぁそりゃそうだわな」
彰と目が合った。
絡みつくような視線が気持ち悪い。
「でもそれが出来るんだよ。斎木さんはまだ知らないんだけど、先日マイナリーが現れてさ。最強になるのももう目前か?って勢いなんだ」
「…へ」
「世界を変えるより、星ごとつくっちゃえばそこには斎木さんの望む世界そのものを造り上げることもできるしな」
紘奈と誰かが、一緒になって惑星になる。
“消えるさ。跡形もなく”
紘奈が、消える。
忘れる。