プラスマイナス、
“驚かす”なんて、そんな可愛いもの?
最強のマイナリーになったら、人間をプレゼントみたいなノリで差し出すの?
そのマイナリーだけじゃない。紘奈だって消えるんだ。
紘奈は、消耗品なの?
「誠斗くん、どうした。顔が青いぞ。具合でも悪いか」
斎木さんに呼びかけられてハッと我に返った。
全身から嫌な汗が吹き出ている。
いますぐにでもこの場から逃げ出したい。
でも、逃げ出したらどうなる?
事実を知ってしまった以上、ここで逃げ出せば僕も彰と一緒になって紘奈を生け贄として差し出してる、ということになる。
どうにかして紘奈を助けたい。
そのためには僕もこの意味不明な理論や世界を知らなくちゃいけない。
「大丈夫…、です…」
不思議な研修が始まった。
彰がにやりと笑った。