プラスマイナス、
そんな事言われても、普通の人間の僕にプラスィナーを見分けられない。
突きつけられた指令にうろたえてる僕を見て、斎木さんが続けて言った。
「難しい話ではない。いい人材を見つけたらここに連れてくるといい。俺が調べよう」
僕がプラスィナーを見つければ…
しかし力を月に飛ばすだけで500倍足りないんだ、簡単なものではない
でも…
「………そうしたら、紘奈の命は保証してくれますか…」
「それは君の頑張り次第だ、誠斗くん。」
紘奈を守りたい。
ただそれだけだった。
「あとここでした話は内密に。紘奈を説得するのは反則だ。」
もとよりそんな気はなかった。
人を人と見ない斎木さんを、紘奈と接触させるわけにはいかない。
僕はそのまま施設を後にした。
彰も帰るようで、一緒に帰路を辿った。