プラスマイナス、
行動
日が沈んであたりは暗かった。
高科孤児院までの道をはっきり覚えていなかったし、あたりが暗くなると道に迷う可能性も高くなる。
それでも明日に伸ばすことはしなかった。
なんてったって紘奈は今、うちにいるんだ。
紘奈がいない隙に話をつけなくちゃいけない。
と、いうか…
なんと説明すればいいんだろう。
現実をありのまま伝えたら、さすがのみなとさんもどん引きだ。笑い飛ばしてくれた方がまだありがたい。
でも、頼りになるのは高科孤児院ぐらいだった。
女性ひとりと子供を十数人、数字にしてみれば少ないかもしれないけど、みんなそれぞれ過酷な道を通ってここまできたんだ。
きっと力のあるプラスィナーのはずだ。
人に道を訪ねながら、ようやく孤児院に着いたのは20時前だった。